マダニの一種

鋏角亜門 クモ網 ダニ亜網 ダニ目 マダニ科  約2mm

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下草の先端などで待機しており、草叢を歩くとズボンの裾などに着いて来ることがあります。

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マダニの仲間は吸血性で、哺乳類や鳥類に寄生して吸血します。
山を歩いていると、写真のように下草の先端にマダニが取り付いている姿を見かけます。
これは、宿主となる動物が通りかかるのを待っていると思われます。
ズボンの裾などについてくることもあり、かなり厄介です。

かつて、「山と渓谷」の特集で、山で出会う害虫とその対処方法についての記事が載っていたことがありました。それによると、マダニは一度頭部を宿主に刺し込んだら、自らの意思で外さない限り取ることが出来ないとありました。
無理に引っ張って取ろうとすると、頭部が千切れて体内に残ってしまい、痛みや腫れが続いてしまうとか…。
対処方法として、線香などでお尻を炙ってやれば嫌がって自ら外れるとのこと。

で、いつも注意しているはずでしたが、やられました。
山を歩いた翌日の朝、太腿のあたりに痛痒さを感じ、何気なく触ると「ポチッ」とした感触があり、気になって短パンの裾をめくってみると茶色い固まりが!?
すぐに「マダニ」と判りましたが、確かにしっかり頭部が喰い込んでいて、ちっとやそっと引っ張っても取れません。
お線香は無いので、半田ごてを用意してお尻をつんつんしてみましたが外れてくれません。
仕方なく(最近老眼傾向で見難いのですが)ピンセットを使って、しっかり頭部を掴んで引っ張りました。 
これでもか!というくらい皮膚が引っ張られ、やっと「ズボッ」という感じで取れました。

その後、2週間ほどは痒みが取れず、患部は赤く変色した状態が1ヶ月ほど続きました。
奥さんや子供などに被害が無くてよかったです…。

皆さんもご注意を。

----------------------------- 2021年6月追記 ---------------------------

2007年以降はかなり気を付けていたつもりで、沖縄でも野外活動中は「トレッキングシューズ+ハブ除けを兼ねたスパッツ装着」か「長靴」を使用していました。
実際に沖縄ではスパッツに「タカサゴキララマダニ(か近縁種)」が取り付いていたこともありました。
しかし、観光気分で油断をしていた2019年の石垣島遠征時(この時は奥さんも被害にあった)に引き続き、2021年の春にも人生3度目の「マダニ」の被害に逢ってしまいました。

今回は自宅での裏山の伐採・枝打ち作業時に被害に逢い、入浴時に左腰付近に寄生されているのを発見しました。
老眼で見辛い中、奥さんに毛抜きを使って頭部を保持して引き抜いてもらいましたが、残念ながら今回は口器が体内に残ってしまいました。
GW前なので、連休にかかって発熱などがあると嫌だなあということで、念のため皮膚科を受診しました。
先生には「あら、自分で取っちゃったの?」と呆れられましたが「でも、そのまま朝までつけておくのもリスクがあるよねえ…」ということで(^^;
自分の過去のマダニ2回とツツガムシでの症例を説明して抗生物質を処方してもらい、寄生に逢った時に自分で処置せざるを得ない場合の先生のお勧め器具「Tick Twister」を実物を見せてもらいつつ紹介してもらいました。
これを使って手順通りやれば、ほぼ100%口器が残らずに抜き取れるそうです。
「こちらの医院で出してもらえないんですか?」と聞いたところ出来ないそうで、「実はこれ、ペット用品なのよね(^^)」だって…お会計前にAmazonで速攻で注文しました。

「お線香でお尻を焙る」というのが成功するのは時と場合によるようで、時間が経っていったんセメント様物質で固まってしまった場合は無理らしいです。
石垣島で会った方はお線香で取り外しに成功したそうですが、自分は寄生から24時間以内にも関わらず、2回(2匹)チャレンジして0勝2敗でした。

----------------------------- 2021年8月追記 ---------------------------

「タカサゴキララマダニ」の項でも追記しましたが、2021年はなぜか「マダニの当たり年(?)」のような様相を呈しています。
屋外活動でマダニ類を見かけることも多数あり、気を付けていたにもかかわらず2021年4月に続いて6月にもマダニに寄生されてしまいました。
この日は早朝に山歩き(活動時間は3時間程度、現地までの片道30分程度は車で移動)、午後に自宅周辺の草刈り(1時間程度)をしており、どちらで寄生されたかは不明ですが、夜の入浴時に内腿に喰い込んでいるマダニを発見しました。
どちらも長袖・長ズボン・長靴着用でディート配合の虫除けを塗布、帰宅時にはパンツと靴下以外は着替えていたのに…
今回も寄生からの時間経過も短かったと思いますが、準備してあった「Tick Twister」を使用することで、口器も残さずに除去することができました(^^)
今回も奇主は「タカサゴキララマダニ」の若虫のようでした。

その後も注意していましたが、寄生はなかったものの8月にも自宅内の義母の部屋でマダニが歩いているのを次女が発見…(^^;
ケースに捕獲したものを見せてもらうと、これは「フタトゲチマダニ」っていう、野山の植物の上でよく見掛けるタイプのやつですね。
それにしても、いくら「マダニの当たり年(?)」だといっても、遭遇確率高杉晋作…

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口器を宿主(^^;の体内に刺し込んでいるマダニ。2007年(左)と2021年(右)。

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2007年のマダニを取り外した状態。口器が長くて背板がエプロン状で「タカサゴキララマダニ(の若虫)」でしょうか…?

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2021年6月30日に内腿に咬着していたマダニ。これも「タカサゴキララマダニ」の若虫っぽい。

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前回購入しておいた「Tock Twiste」の出番(が、もう来るとは思ってなかった…)です。

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ひっかけて挟み込んだら、くるくる回しながら引っ張ると…うまく取れました。元気に動いています…(^^;

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これは6月に豊田市の山林で見た「フタトゲチマダニ」か「キチマダニ」と思われるもの。

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8月1日に自宅内で捕獲した「フタトゲチマダニ」と思われるもの。(セロハンテープで封殺)