ヤマトシミ 

シミ目 シミ科  約12mm

ヤマトシミ
ヤマトシミの触角と尾角は非常に長い。

ヤマトシミ
体の周縁部は毛が多いのもヤマトシミの特徴。

シミの仲間は、昆虫の起源に近いところで他の昆虫とは別の進化をたどった仲間で、トビムシやイシノミなどと同様に翅を持たない「無翅昆虫」の一群です。
「無変態」の昆虫で、幼虫も成虫も全く同じ姿をしていて、成熟した後も一生脱皮を繰り返します。

子供の頃の自宅は古い建物で、明治から昭和初期にかけての古い本などが納戸や屋根裏にたくさんありました。(遊び半分で入ると、ノミにやられてかなり痒い目に遭いました)
そこで古い本などを開くと、よくシミが本の間から出てきました。

漢字では「紙魚」と書き、昔の人もこの銀色に光る体を魚に見立てていたようです。(うちの奥さんは、子供の頃「切り身」と呼んでいたようです)

本などの紙を食害してボロボロにするとも言われますが、実際には本に使われる糊などの有機物をかじっているそうです。
最近では、戸外のコンクリートの上を歩いている個体と、材木を動かした時に現れた個体を見ただけで、我が家(1995年築)の屋内では見たことはありません。

最近では帰化動物の「セイヨウシミ」に押されて、在来種である「ヤマトシミ」の数が減っていると言う話も聞きますが、今のところはっきり見たことがありません。