トウキョウヒメハンミョウ

甲虫目 ハンミョウ科  8mm前後

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とても小柄でとても敏捷。

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ハンミョウ類共通の手放しポーズの交尾体勢です。

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メスはお尻を高く上げて揺すり、マウントしたオスを振り落とそうとします。

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複眼間の額には縦じわが顕著。上唇の感覚毛は6本。

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調べてみたところでは、東京の周辺と山口県、九州など、分布は局部的ということです。
形態的には「トウキョウヒメハンミョウ」だと思いますが、愛知県にも分布しているのかは不明でしたのでちょっと「?」が入っています。(図鑑によっては静岡県にも分布とある)

前胸部下面には毛がほとんど無く、上唇には中央に鋸歯が1つで両側が弱く湾曲、、上唇中央部はやや高まりはあるが顕著ではない?また、複眼の間の頭部には顕著な縦皺があります。

エリザハンミョウやコニワハンミョウよりも更に小型で、輝きも少ないため見た目はほとんど「ハエ」のようです。
雑木林で、足元から飛び立って着地した後の態勢が「なんかハエと違うなあ?」と思ってよく見たらこのハンミョウでした。

体は黒褐色に近く、粗い点刻に覆われているため、益々色気が無く見えてしまうのでしょう。
顔も上唇・大顎が黒っぽい個体が多いため正体不明に見えます。
非常によく飛んで移動しますが、草の葉の上などにも止まっていることも多いのは身軽な証拠ですね。

7月から8月にかけて見られましたが、生態はよく判りません。

--------------------------- 2020年7月追記 ----------------------------

2020年の7月になって、昨年まではコハンミョウしか見られなかった自宅(豊橋市南部)の庭でも本種の発生が確認されました。

北隆館の「日本のハンミョウ」(2019年11月刊行)によると、明治時代初めにも横浜で記録があるようですが、その後の昭和6年に東京・渋谷で発見され、台湾や琉球種とは斑紋に差異があるということで新規亜種として記載されたとのことです。
1980年代には関東及び北九州でのみ見られたものが、現在は関東〜東海〜関西を経て九州まで広く分布が確認されているそうです。
愛知県での確認は2006年とありますので、ishida式での確認とほぼ同時期ですね(^^)v

遺伝的には中国やベトナムなどの大陸産ともやや異なっているものの、変異の幅の範囲内のようで、当初考えられていた台湾産との差異はやや大きめのようです。

ちなみに、斑紋が異なる琉球産亜種「リュウキュウヒメハンミョウ」も沖縄本島で見付けましたが、その時は「ああこんなところにもトウキョウヒメがいるんだ」と思って、深追いしなかったため写真がほとんどありません(^^;;;;;