ニワハンミョウ 

甲虫目 ハンミョウ科    15mm前後

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紫がかった体色の個体。

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最も一般的なやや緑がかった銅金色の体色の個体。

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これは普通と違う、警戒して伏せの姿勢となったところ。

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緑色の体色が鮮やかな個体。

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時々見られる真っ黒な個体はほぼメタリック感がない。

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開けた砂地でクロヤマアリを捕食。

代表種の「ハンミョウ」は国産の昆虫類のなかでも特に美麗な種の一つですが、こちらの「ニワハンミョウ」はどちらかというと全種に比べるとやや小型で地味な色合いですが、色や斑紋の変異は大きいようです。
赤銅色から緑色までの様々な輝きを持っています。また、斑紋の形もいろいろありますね。
翅の下の腹部は全て青緑色に光り、飛ぶ姿は青い星のようです。

また、体色変異の中では珍しいと思われる「黒色型」も現れます。
他のタイプは「上面の色だけ」が異なり、腹部や体の下面、肢などは基本的に同じような色をしていますが、「黒色型」は全身がほとんど真っ黒で、メタリックな輝きはほとんど見られません。
これは甲虫のメタリックな輝きはチョウの鱗粉などと同様に皮下の微細な凹凸による光の干渉から発生する「構造色」であり、黒色型の場合は干渉の発生する光の周波数が可視領域外になるような凹凸のパターン(周期)となっているためのようです。

メタリックな甲虫類全般にそうなのですが、フラッシュを使用して撮影すると「正反射」となってしまい、本来の輝きが出にくくなります。
逆に、太陽の直射光下ではコントラストがきつくなってしまい、なかなかカメラマン泣かせな虫たちです。

成虫で越冬したものは春に現れ、所によっては本家の「ハンミョウ」と混棲し、広い開けた場所に出てアリなどを捕食します。

ただ、春と秋に成虫を見るだけでなく、同時に周囲に同種の幼虫の巣穴があるのはどういうわけか不思議でしたが、本家の「ハンミョウ」同様に世代の異なるものが成長の度合いに合わせて幼虫越冬するものと成虫越冬するものがいて、足掛け2年以上のやや不定期な生活様式を持っているようです。

------------------------- 2021.07.28 記事と画像の訂正 -----------------------

これまでの記事の画像中に別種の「アイヌハンミョウ」が混じっていたため訂正しました。
同じ場所で完全に混じった状態で生息していたため、深く考えずに「斑紋のバリエーション」だと勘違いしていました。
「アイヌハンミョウ」は前翅の白い斑紋のパターンが違い、特に後端の紋があることと、より毛深い(前胸背面と頭部の上面〜眉間にかけて白毛が顕著)というのが特徴的です。
「アイヌハンミョウ」については生息地が限定的なためか画像のストックが少ないため、再度取材(?)のうえで追記予定です。

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これまで「ニワハンミョウ」の斑紋の変異と思っていたものは「アイヌハンミョウ」でした。

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