ヒメクロオトシブミ 

甲虫目 オトシブミ科  約5mm

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東海地方では最も一般的な腹部と脚が黄色いタイプ。

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腹部までが黒いタイプ。

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全身真っ黒なタイプは東海地方では少数派。

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場所を巡って闘争中?

オトシブミの仲間は、木の葉を巻いた中に産卵し、幼虫はその中で育ちます。
代表種のいわゆる「オトシブミ」は、葉を巻いた中に産卵した後それを切り落とします。
それを「巻き文」に見立てて、「落し文」と名付けられています。

ヒメクロオトシブミは体長約5mm程度の小型種で、巻き文は地面に落とさずに木に付いたままになります。
見たところ、巻かれた揺籃は枯れたようになってしまいますが、これで内部は適度な状態が保たれるそうです。
外側が枯れているため、ハムシなどの他の昆虫に食べられることもなくなるわけですね。
下はコナラの葉を巻いた揺籃です。

オトシブミの仲間は変わった体つきをしていますが、なんとなく犬のような変わった顔つきですね。

体色は東海地方では主に3タイプが見られ、@頭部と胸部・翅が黒くて、腹部と脚が明褐色なものが最も一般的ですが、A腹部まで黒いもの、B全身黒いものがあります。
地方によっては翅が赤いものや全体が青藍色のメタリック調のものもいるとのことです。

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何となく犬のような顔付き?

「巻き文」の作成は、まずは葉の根元の部分を切り取ってから主脈を(首の皮一枚残して)切ります。
その後、徐々にしおれてくる葉を巻いていきます。
この先は一時間以上かかるとのことで、観察は割愛しました。
母親が苦労して作った揺り籠の中で子供は安全に育つことが出来ますが、この小さな体でこんなに大きな葉を巻くのは随分と重労働でしょうね。

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揺籃を製作中のメス。まずは葉の付け根を両端から切ってゆきます。

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揺籃を製作中のメスとマウントしてガードするオス。

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コナラを巻いて造られた本種の揺籃。