モンシロミズギワカメムシ

半翅目 ミズギワカメムシ科 3mm前後

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複眼が大きく、首が細くて前胸部がやや幅狭な独特の体型です。

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やはり体形は薄っぺらです…。

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革質部中央と端部にある白い紋がとても目立って奇麗に感じた。

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革質部の白紋は個体差があるみたい。触角は相対的に長く、先端が橙色なのもおしゃれ。

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2024年の3月に休耕田の周りで「ミズギワカメムシ」を見付けて撮影に四苦八苦していた際に、足元の草の間で動き回っている個体を発見しました。
初めは同じ「ミズギワカメムシ」だと思い、草の間で何とか接近してファインダーに捉えてみたら、明らかに体形も違うし一回り小型の別種でした。

平たいながらもカメのような体形の「ミズギワカメムシ」に対し、本種は頭部が相対的に大きくて前胸部の幅が狭い独特の首長体形です
前翅も外周が透明帯となっているだけでなく、革質部の白紋が非常に目立ちます。
大き目の複眼も何だか可愛らしくて、一目で好きになっちゃいました(^^)
出会った当初は種名が判らなかったのですが、帰宅後に「おそらく「フタモン」とか「モンシロ」みたいな名前なんだろうな」と思いながらWebで検索してみた結果、やはり「モンシロミズギワカメムシ」という名前だと判明しました。
他のミズギワカメムシ科のものと同様、本種も小さいながら捕食性のカメムシです。

「ミズギワカメムシ」が活動している畔の周囲でも、本種はあまり開けた場所には出てこないようで、芽吹いたばかりの雑草の根際周辺を歩き回っていました。
すぐに飛んで逃げないのは有り難い反面、障害物の多い草叢での撮影はなかなか困難です。

プチ遠征先の休耕田で、最初に「ミズギワカメムシ」を撮影、続けて本種を撮影しましたが、腰痛に耐え切れなくなったところでいったん体制を整えて撮影結果を確認したら、連続して160枚ほど撮影した結果は何故かほとんど真っ黒…(ToT)
よくあることですが(^^;フラッシュのボタンにおでこが当たって、フラッシュの設定が変わってしまっていたのでした…
その後気を取り直し、30分以上探し回って何とか数コマ撮影できましたが、ちょっと悔いが残る結果に…。
一週間後に再挑戦して何とか追加の撮影はできましたが、やはり濡れた田んぼのあぜ道に這いつくばっての撮影は腰痛持ちには非常にきつかったです。

ミズギワカメムシ科やメミズムシ科を含む「ミズギワカメムシ下目」は「タイコウチ下目」や「アメンボ下目」と併せて、いわゆる「水生カメムシ」と呼ばれていますが、他の2下目とは水辺に依存して生活し、ほとんどが捕食性という生態的な共通項だけで、特に類縁的に近いというわけではありません。
そのうえ「ミズギワカメムシ下目」のカメムシたちは水生昆虫の図鑑などでは取り上げられず、かといってカメムシ図鑑でもオミットされてしまうなど、ちょっと不遇で資料にも乏しいのがちょっと残念です。