フタテンナガアワフキ

半翅目 アワフキムシ科 約7mm

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右側が頭ですが、独特の体型です。

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左が頭ですが、右側の翅端近くに眼のような黒斑がある。

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眼過線も含めて、目の位置が判り辛いようにデザインされている。

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よく見ると、翅の「義眼」模様はご丁寧に(?)艶があって突出までしている。

沖縄本島のやんばるで現地在住のUさんと自然観察した際に見付けた、とても独特な体型をしたアワフキムシの一種です。
頭部は尖っていてとても薄く、まるで空力効果を狙ったかのようなウェッジシェイプが特徴的で、平べったい独特の頭部の形状だけでなく複眼の位置も判り辛いところへもってきて、翅の後端近くにご丁寧に「義眼」模様まであります。

当初は「クロスジホソサジヨコバイ」によく似ていると思ったので、ヨコバイの仲間だなと考えていたのですが、種名は判りませんでした。
別件でネット検索していた中で言及されている「フタテンナガアワフキ」という種名が見にとまり、検索してみて情報が得られました。
確かに特徴をよく表している名前だなあと思いますね(^^)

前述の「クロスジホソサジヨコバイ」もそうですが、これは捕食者に対して頭の位置を誤認させることで致命的な攻撃を避ける狙いがあるのではないでしょうか?
生き物に詳しいUさんでさえ、これを見せて「どっちが頭だか分りますか?」と尋ねたら、やはりお尻側が頭だと思ったそうです。

見付けたのは林道沿いのススキの葉の上で、ハエトリグモがいないかなと思って葉の根元をのぞき込んでいる時に見付けましたが、2個体が同じような場所に潜んでいました。
細長くて薄っぺらな体付きは、そんな場所に隠れることに適応したものと思われます。

分布についてはよく判りませんが、九州以南で記録があるようです。