エビイロカメムシ

半翅目 カメムシ科  15mm前後

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平べったくて、鼻先や前胸部側面が尖った独特の体型です。

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「エビイロ」というのは体色だけでなく、何となく甲殻類のようなイメージから来るものでしょうか。

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動きは少なく、不活発で隠蔽的?

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前胸部を横切る稜線も特徴的です。

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頭部は「側葉」(複眼の前に延びている部分)が前に延びて「中葉」(下側に口吻がある部分)の先で合わさっている。

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成虫と同じ場所で見付けた若齢幼虫。側葉が伸び切っていないため鼻先が割れて見える。

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終齢と思われる幼虫は成虫に近い姿です。

------------------- 2024.1.3 写真と記載を追加しました。 ------------------

本種はちょっと変わった体型のカメムシで、成虫は平たくてやや細長い体付きで、全体が赤みがかった黄褐色の体色をしています。
頭部は先端が尖って見えますが、鼻先が長いというよりも「シロヘリカメムシ」のように側葉が長く突き出して中葉より前で合わさっているため、まるで真中で割れているように見えます。
逆に、中葉(下面に口吻が付いている部分)は他種に比べても短いくらいです。

食草はススキで、写真のようにススキの葉に止まっているところを見つけられますが、緑色の葉に対して補色に近い赤みがかった色合いは意外に目立つ気がしますが、当の本人はこれで隠れているつもりなのか、葉の裏側へ回り込むようなこともなくほとんど逃げようともしません。
8月のある日、ススキの繁みを見るとなにやらヘンなものがついている?ススキの葉の途中に痛んだ部分があるのか、芽が出ているようにも見える?これは何??
よくよく見れば、どうやらエビイロカメムシの幼虫のようで、写真のように齢の違うものが2匹見つかりました。
ススキの新芽は黄褐色で、葉が痛んだ部分は茶色くなった周囲がやや赤みを帯びて見えたるすることがありますが、この幼虫はまさに「痛んだ葉っぱ」に化けている様子です。
それにしても、幼虫まで珍妙でなんだか笑える姿ですねぇ。

同じ「カメムシ科」の中ではよく似たものはおらず、一時は独立した「エビイロカメムシ科」とされていたこともありますが、現在の「エビイロカメムシ亜科」としても日本国内では本種のみの1属1種の存在だそうです。