「シラミバエ」の仲間は図鑑等でしか見たことがありませんでしたが、名前通りシラミのように哺乳類や鳥類に寄生して吸血するハエの一種です。 日本国内でも数種があり、主に哺乳類や鳥類の体毛(羽毛)の中に寄生し、宿主に取り付いたら翅を落としてしまうものまであり、それらはほんとうにシラミのように見えるそうです。 シラミバエ上科のハエは大半が吸血性で、その中でも「ツエツエバエ科」のハエは「眠り病」の媒介者となっており「殺人バエ」として知られます。 シラミバエ科のハエも、積極的に人を吸血することはなくとも吸血性のハエです。 彼らは卵胎生のハエで、ほとんどのシラミバエは1腹に1匹の幼虫が母親の体内で成長し、体外に出てすぐに蛹化するそうです。(もちろん生涯に1子ではなく、1回に1匹生むことを何度も繰り返さないと種の存続が難しいですよね…)
10月中旬に、健康のため奥さんとウォーキングに出掛けて帰宅し、夕食後に片付けをしていたら首周りに何か違和感が… 何やらクモかなんかが首筋に這っているような気がして、手で払っても移動はするようなのですが何だか良く判りません。 娘に「ここらへんに何か付いてない?」と指さして見てもらい、もう一度自分の手を見たら10mm足らずの変な虫が…?? 手の表面を素早く滑るように移動する平べったい姿がゴキブリのような印象でしたが、前後左右に滑るような極めて俊敏な動き…素早すぎるうえに、見ようとすると飛び立つことなくすぐに裏側へ回り込んだりしてじっとしてくれませんが、最後に飛び立つ前に見えた姿は足が長くて極端に平べったいハエのように見えました。 これは、図鑑などで見て存在は知っているけどこれまで見たことがない「シラミバエ」っていうものでは!? 幸い、天井付近の回し縁にとまっているのを発見し、ここから撮影大会に突入しました。 実際に目にする姿は、異様に肢が長くて屈強な感じながら、頭部も体も押しつぶされたように扁平で、翅端までの長さが10mmほどですが、実際の体長は5〜6mm程度のようです。 不思議なことに、何故か飛び立っても天井の回し縁かその近辺にしかとまらず、フラッシュディフューザーが天井と干渉して使えずフラッシュ直射のため、撮影アングルに制約があるだけでなくライティングもイマイチになってしまいました…(^^;
基本的に寄生する相手は種毎にほぼ決まっており、積極的に人に寄生するものはいないとのことで、ケジラミやアタマジラミならまだしも、毛髪以外に外部に露出した体毛が無いうえに服を脱いで入浴や洗濯をする人間に対しては寄生は難しいんでしょうね(^^; とはいえ、偶発的な刺傷例もあるため注意が必要なようです。(自分は刺されてはいません) 今回見付けたものは鳥類に寄生するタイプのシラミバエのようですが、ウォーキングで里山を歩いていた際に何かの勘違いでishidaに取り付いてしまったということでしょうか? しかし、体温を検知して宿主だと判断しているのか、手にとまった時もなかなか離れようとはせず、最後にフィルムケースに入れて外へ放した際も、飛び去らずにishidaの手に戻って来ました…やっぱり元来が寄生バエなんですね(^^; |