クロフトモモホソバエ
双翅目 フトモモホソバエ科 約10mm
非常に細長い体形や、長くて太い後肢と細く伸びた腹部などがハチを連想させます。
向かい合ってお互いを威嚇するような仕草や、飛び掛かるような実力行使もしています。
前肢を広げる仕草は単独でもしています。
ハチが触角を振り振りしている様子を真似ているのかもしれません。
顔を見てしまうと、明らかに「ハエ顔」です(^^)
------------------------ 2023.11 画像と記載を追加しました ------------------------ クロフトモモホソバエとは「腿が太くて体が細い」という特徴の「フトモモホソバエ科」の仲間に属する、体色が「黒い」ハエという意味です。 「フトモモホソバエ科」はマイナーな分類群で、この種が代表種のようですが、他はどんな種がいるのかさえはっきり判りませんでした。 個々の性別は外観では見分けがつきませんが、オスがイタドリなどの葉の上で定位してメスを待っているのか、同種間ではかなり激しく縄張りを争うように見えました。 生息地ではそれなりに個体数は多いように見受けますが、これまで交尾しているところは見たことは一度もありません。 体形は特徴的で、名前のように体全体(特に胸部)が細長く、後脚の腿節が太くて腹部はくびれたうえに後胸の上部から長く伸びている様は、まるである種のハチのように見えます。 下は同じ場所でたまたま見つけたよく似たヒメバチの一種との比較です。
「黒い太腿が細いハエ」という意味ではありません(^^;
写真のように、同じ葉の上にとまったハエ同士が向かい合ってお互いの腕を広げて示威行動らしき仕草をとっていました。(実際には単独でも前肢を広げるしぐさをしているので、他の「ハチを真似たアブ」などがするような「触角のように見せる仕草」かもしれません。)
ただし、顔はハエの仲間そのものです(^^)
名前のように本種は後肢の太腿(腿節)が太くて長いのですが、実はハチの後肢の場合は太いのは基節で、腿節はそれほど太くも長くもありません。
クロフトモモホソバエ(上) 「シロスジクチキヒメバチ」と思われるヒメバチの一種(下)