ビロウドツリアブ
双翅目 ツリアブ科 約10mm
静止するメス。モフモフの毛の中に体のシルエットが透けて見える。
一見するとモフモフで太っちょに見えるが、透けて見える胸部を見ると実は思ったよりもスリム?
オスの複眼は額で接している。
交尾中のペア。左がメスで右がオス。意外に体格には差がある。
こちらも交尾中のペア。右手前がオスで左奥がメス。
かなり翅が傷んで、体毛も抜けてしまっているメス。実は体はほぼ真っ黒。
ツリアブ(吊り虻)の名前通り、空中に吊られたようなホバリング。
地面に降りて、お尻を地面に押し当てているメス。
お尻りで「味噌すり運動」をしながらハンバーグを作っています。
お尻の先に砂の塊りが出来てきました。
お尻にハンバーグを付けて飛んでいます。
------------------------- 2024.03.29 追記と画像追加 -------------------------- 春に現れるマルハナバチに似た姿をしたツリアブです。 主に里山や山地で見られますが、意外に敏感で近付きにくく、なかなか一ヶ所に留まってくれないため撮影のしにくい相手です。 ツリアブの仲間はほぼ全てが他の昆虫の巣穴に寄生して育ちますが、ビロウドツリアブも幼虫はハナバチ類に寄生して育つとのことです。 4月上旬、山地ではたくさんのビロウドツリアブが活動中でしたが、よく見ると「スキバツリアブ」と同じように地面に降りて、お尻を砂に押し付ける行動をとっていました。
体は長い毛で密に覆われてまるでぬいぐるみのようですが、よく見ると角度によって黒っぽい体の輪郭が透けて見えており、一見した印象ほど太っちょではありません。
飛翔は巧みで、ホバリングしたまま長い口吻を使って花の蜜を吸うことも出来ます。
かれらは普段はいつも宙吊りで、なかなか静止しているところが見られず、近付きにくいものですが、この行動中はなかなか逃げることもなく撮影することが出来ました。
で、実際に行動を観察してみると、お尻をグリグリ小刻みに回しながらオシッコ(?)を出して砂団子(というよりもハンバーグみたいな形)を作っているようです。
「卵を砂でカムフラージュする行動か?」と思って、飛び去った後の砂の上を見ても何も残っていません。
画像を見ると、実は「砂のハンバーグ」を、お尻に付けたまま飛び去っている」のでした。
この中に卵を隠してカムフラージュいるのか、それとも単なる生理的欲求かしら?
ハナバチの巣に寄生するといわれる実際の産卵行動は、(ishidaの中では)まだ謎です…。