アリノスアブ(アリスアブ)

双翅目 ハナアブ科  約13mm

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黒っぽくてメタリック色の強いオス

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茶褐色でやや体が大きいメス

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交尾しているペアを見て、初めて雌雄の違いが判りました。

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やや大型のハナアブの一種で、山地では春の終わりから初夏の頃になると成虫を見かけます。
この仲間は幼虫がアリの巣で暮らすことから「アリの巣アブ」といいます。
ただし、まるでドームのような形をしていて、殆んど活動しない幼虫は「共生」しているのか、「寄生」しているのかははっきりしていないとのことでしたが、最近の研究では「アリの幼虫を捕食する」ことが確認できているようです。

本種のオスは全体に黒っぽくて、胸部背面のメタリック色が強め、メスは全体に茶褐色でメタリック色はやや控えめな印象です。
また、ハナアブの多くはオスが視覚に頼ってメスを探すことから、オスは複眼が大きくて、額で左右の複眼が接しているものが多いのですが、アリスアブの仲間は雌雄どちらも複眼の大きさに大差はないようです。

ハナアブの仲間ですが花に吸蜜に訪れることはなく、幼虫時代の栄養分だけで活動し、産卵するとのことです。
そのため、口吻は退化してしまっているようで、何だかお人形のようなあっさりした顔付きに見えます。
(「トゲアリスアブ」では湿地で吸水しているのは見たことがあるので、全く口器が無いわけではないみたいです。)