クチキヒメバチの一種(キスジクチキヒメバチ?)

膜翅目(ハチ目) ヒメバチ科  体長22mm前後

クチキヒメバチの一種(シロスジクチキヒメバチ?)
腹部はスリムですが他のオナガバチに匹敵するくらいの大きさです。

クチキヒメバチの一種(シロスジクチキヒメバチ?)
木の中に産卵管だけを挿入中。

クチキヒメバチの一種(シロスジクチキヒメバチ?)
上の個体を横から撮影。鞘は左右に分かれず、後ろに向かってたわんでゆきます。

クチキヒメバチの一種(シロスジクチキヒメバチ?)

クチキヒメバチの一種(シロスジクチキヒメバチ?)
こちらは穴の中に産卵管鞘ごと挿入中。

クチキヒメバチの一種(シロスジクチキヒメバチ?)
穴の曲がりに合わせて?体の角度を変えつつ深く差し込んでゆきます。

クチキヒメバチの一種(シロスジクチキヒメバチ?)
前に見えるのは取り残された産卵管です。

クチキヒメバチの一種(シロスジクチキヒメバチ?)
大挙して産卵中のツマグロオナガバチと本種

全体に小型のものが多いヒメバチ科のなかで、オナガバチ亜科とクチキヒメバチ亜科のものは大型で長い産卵管を持っているのが特徴のグループです。

本種は「ツマグロオナガバチ」と思われるハチと同時に産卵木に見られたものですが、種名が同定できていません。
当初は「シロフオナガバチ」に似ているなと思って調べましたが、実際にはかなり異なることがわかりました。
Infomation station of Parasitoid wasps」を参考にしてもオナガバチ亜科のなかには該当しそうなものはなく、以前撮影した画像にあった「シロスジクチキヒメバチ」にもよく似ていることから、クチキヒメバチ亜科の中から探したところ「キスジクチキヒメバチ(Xorides vulgaris)」が最も近そうに見えます。

長い産卵管を枯れ木の中に挿入し、内部に潜む昆虫の幼虫に直接卵を産み付けるとのことですが、産卵中の姿を見ると産卵管鞘は左右に分かれないで後ろに向かってたるんでいきます。(構造的には左右は分かれている)
産卵中も翅を広げることはなく、腹部後半の構造も若干違うように見えますので、やはりオナガバチの仲間ではないようです。

体長は「シロスジクチキヒメバチ」に比べると大きく、体長よりも長い産卵管のため、同時に見られた「ツマグロオナガバチ」と同等の大きさに見えました。(本種のほうが腹部はずっとスリムですが)