クロムネアオハバチ 

膜翅目(ハチ目) ハバチ科  体長12mm前後

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意外に精悍な犬みたいな顔付き?複眼の後部の隈取りで切れ長の目に見える。

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複眼は真っ黒です。

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腹部の黒・黄帯は特徴的なパターン。

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これは別の個体だが、眉間の黄色班が無く、胸部も全体に黒い部分が多い。

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こちらはササの葉の表面から表皮の間へ産卵管を差し込んで(産卵管が透けて見えます)産卵中です。

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よく見たらこちらの個体もササの葉の側面から産卵管を差し込んで産卵していました。

これまで掲載していたものは、特によく似た「セマダラハバチ」との混同があったため写真の入れ替えと記載を訂正しました。
本種と「セマダラハバチ」の胸部背面の模様が比較できる写真を追加しました。

黄緑色がかった体色と黒い斑紋のコントラストが美しいハバチの仲間です。

ただ、ハバチの仲間は資料が少なく、このように大型で美麗な種でもなかなか決め手がなくて、同定には自信がありません。

ネットで調べても、一般のサイトでは同定には混乱があるようです。
自分が実際に見た中でも、よく似たものが多く、前胸背の模様や頭部の模様が少し違うもの、複眼の色が違うもの、明らかにサイズが違うなど…なかなか釈然としません。

ハバチの仲間は多くが折り畳みナイフのような形の産卵管を使って植物の組織内に産卵しますが、本種は主にクマザサの生える環境で見られ、産卵管をササの葉の表皮の下に差し込んで卵を産み付けるようです。

よく似た配色のもので、複眼の色が緑がかって見えるものは「セマダラハバチ」のようで、複眼及び複眼の後ろ、後頭部後縁が黒く、腹部の黒帯が背面中央辺りで狭くなっているのが「クロムネアオハバチ」のようです。
頭部上面と胸部上面の斑紋の基本パターンはよく似ていますが、比較してみると微妙(?)に異なっています。
下はクロムネアオハバチとセマダラハバチの背面の比較写真です。

クロムネアオハバチ(左)
複眼後部に接した黒斑と頭部上面の黒斑には後縁黒色部から細くつながり、眉間の一対の黄色班は小さいか消失し、複眼は真っ黒。
胸部背面は前方のV型の黄色部が明瞭で、(名前に反して?)黒と黄色の面積はほぼ等しい。
腹部の黒色帯は正中部で細くくびれ、腹部後半に向けて幅広になる。
前翅の前縁は明確に黒い。

セマダラハバチ(右)
頭部の黒斑は上面のみ。眉間の一対の黄色班は大きく、複眼は青緑色を帯びる。
胸部背面は前方のV型の黄色部は小さくて遊離し、黒の面積が多い。
腹部の黒色帯は幅広でくびれは無く、黄色帯は細い。
前翅の前縁は黒くない。

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「クロムネアオハバチ」(左)と「セマダラハバチ」(右) 腹部が見え辛いですが…