クマバチ
膜翅目(ハチ目) ミツバチ科 体長22mm前後
花の付け根に口吻を差し込んで、直接蜜を吸っています。
吸蜜しやすい花は正攻法で…(^^)
メスは複眼が小さめで額が広い。
オスは複眼が大きくて額が狭く、顔面が黄色い。超モフモフ…(^^)
開けた場所でホバリングしてメスを待つオス
非常に大型で野山でも目立ち、獰猛なハチのようなイメージで見られることも多々ありますが、実際にはいたって温厚なハチです。 一般的に「クマンバチ」とも呼ばれ、大型であることから漫画や絵本などでもスズメバチ類と混同して登場することもあり、知らないうちに刷り込まれて「危険なハチ」「怖いハチ」として見ている人も多くいるようです。 春になると山野の開けた場所に多くのオスがホバリングしている姿が見られ、近くを通る者に対して威嚇するかのように近寄る仕草が見られ、これも無意味にこのハチを怖いと思わせる要因のひとつのようです。 フジの花の咲く頃には多くのクマバチたちが活発に活動するのが見られます。 従来の分類に従ってハナバチ科、コシブトハナバチ科としている文献や記述も多くありますが、最近では「ミツバチ科」で統一されているようです。
種としてもミツバチと近縁な「大型のハナバチ」の仲間で、メスは単独で枯れ木などに穴をうがって営巣します。
丸っこい体全体が毛に覆われている「もふもふ」系で、胸部が黄色い以外は全身真っ黒で、いかにも「クマ」を連想させます。
(ミューラー型の擬態が有効に働いているともいえるのかもしれませんが、個人的には反知性的に感じる…)
実際には、同種のオスに対しては排他的ですが、一般には特に攻撃性は低く、特にオスは針も持っていないので刺すことはありません。
彼らの吸蜜行動は大胆で、多くの吸蜜性昆虫が花の中にもぐりこんだり、長い口先を使って蜜を頂戴しながら結果的に受粉を助けているのとは違って、クマバチは細長い花の場合、花の側面から強引に口吻を差し込むか大顎で切り裂いて直接蜜を舐め取ってしまう行動をとることが多くあります。(いわゆる盗蜜行動)
ちょっとずるい気もしますが、結果的に大きな体に見合った大量の蜜を効果的に集めることに成功しているとも言えます。
(受粉の助けをしてもらえない植物側にとっては迷惑な話しですが…)
逆に、フジなど一部のマメ科植物は受粉媒介者としてクマバチに特化した戦略をとっていて、盗蜜し辛い代わりに本種が正攻法で花を押し広げることで受粉する構造になっているとのことです。