ゴイシシジミ
鱗翅目 シジミチョウ科
青味がかった白と黒のコントラストがはっきりし、肢も毛が多いオス。
表は地味ですが、飛んでいる時には青味がかった輝きが見えます。
全体にコントラストが薄く、肢も毛が少ないメス。
隣りの葉にいるオスに向かってお尻を持ち上げている?メス。
アブラムシの甘露を吸引。
小型で白地に黒い碁石模様があり、可愛らしいシジミチョウの仲間です。 2008年の夏には、恵那山から大川入山に掛けての山域で「ササコナフキツノアブラムシ」が大発生して笹を枯らすほどの勢いでしたが、同時にゴイシシジミも多産しているようです。 |
また、「ササコナフキツノアブラムシ」はアブラムシとしてはかなり複雑な生活史を持っているようです。 「ササコナフキツノアブラムシ」の属する「ヒラタアブラムシ科」では「兵隊」を持つ社会性アブラムシが多く知られています。 兵隊に関しても「ササ世代ではツノで敵を攻撃する一齢幼虫、エゴノキ世代では口針で攻撃する二齢幼虫が現れる。」(つまり、兵隊は「兵隊世代」として現れる)と書かれているものと、「不妊の兵隊カースト(兵隊はそのまま成長しても繁殖しない)を持つ真社会性アブラムシ」と書かれているものが存在します。 実際には自分が種を見誤っている可能性も高いのですが、今回見られたアブラムシには、大型の兵隊がいるようです。
また、ネットで検索すると、信州大学市野先生の研究室では、このアブラムシの兵隊カースト比率を天敵との関係から考察した研究がされているようです。 自分の持っている資料では良く判らないことが多いのですが、社会性アブラムシの進化の過程には、以下のような段階があると思われます。 ・幼虫がツノや口針を使った場所取り合戦や虫こぶ内・集団内で闘争を行うもの。…武器の使用 ・一齢、ニ齢幼虫などが攻撃性を持った兵隊世代として存在し、外敵を攻撃するもの。…兵隊の登場 ・虫こぶに入れなかった集団の一部が兵化して、外的を攻撃する役割を持つもの。…外的要因による兵隊カーストの登場 ・集団内に一定・不定の割合で繁殖に関係しない兵隊カーストが誕生するもの。…カースト階級の誕生。真社会性アブラムシの登場? ・兵隊カーストが外敵に対する攻撃だけでなく、虫こぶ内の清掃なども行うもの。…最も進化した真社会性アブラムシ? また、外敵の識別のために「警報フェロモン」を分泌するものも多く知られていて、フェロモンを着けられた外敵は、何処に行っても兵隊アブラムシの攻撃を受けてしまうそうです。 下は、警報フェロモンを出すアブラムシ「カンシャワタムシ」です。 |