ギフチョウ
鱗翅目 アゲハチョウ科
ギフチョウは原始的なアゲハチョウの仲間で、近縁種はシベリアから中国にかけて3種ほどがいるだけのようです。
現在、各地で「ギフチョウを守ろう」という運動が行われていますが、もともとが「里山」が生息地のため、最も開発や荒廃の影響を受けやすい環境となっています。かつてishidaが中学生頃までは豊橋市の山地でも見られたそうですが、現在は環境変化と松枯れ対策の薬剤散布が原因で個体群は消滅しているようです。
写真は春の陽気に誘われて、浜松市引佐町の枯山に出掛けて撮影したギフチョウです。枯山はギフチョウの生息地として浜松市の天然記念物に指定されています。枯山の山頂付近は蛇紋岩地帯で、周辺の森とは全く植生が異なっています。周囲を見渡すと、周辺にも山頂が禿げ頭の山が見え、部分的に蛇紋岩の貫入があるために、このような植生が見られるようです。
成虫は早春のカタクリが咲く頃に発生し、短い期間で姿を消してしまいます。幼虫はカンアオイの仲間だけを食べて育ちます。