アサギマダラ

鱗翅目 マダラチョウ科 (タテハチョウ科)

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2003年10月19日に自宅で見た南下移動中のオス個体です。(後翅に濃色の性標がある)

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2007年10月20日に湖西連峰で見た南下移動中のメス個体です。

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オス(左奥)とメス(右手前)が同時に見られました。

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2015年10月18日に渥美半島の赤羽根で見た南下移動中のオス個体です。

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これも10月18日に渥美半島の赤羽根で見たマーキング個体です。(前日の日付がマーキングされている)

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これは4月に沖縄本島北部で見た、沖縄で繁殖したと思われる新鮮個体です。

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これは9月に愛知・長野県境の茶臼山で見た個体。

大型の美しいチョウで、白地に見える部分は「浅葱色」といって薄い青緑色で、名前のもとになっています。
また、この部分は鱗粉がほとんどなく非常に薄いため、向こう側が透けて見えるほどです。
オスの後翅の後端あたりにこげ茶色の「性標」があるため、雌雄の見分けは容易です。

マダラチョウの仲間は海を越えるような長距離の渡りをすることで有名で、この蝶も例に漏れず数千Kmの渡りをします。
中部地方山地で育った蝶は、秋になると渥美半島沿いに西に向かい、遠く台湾や中国南部まで渡るとか。
主に山地のガガイモ科植物で繁殖するため自宅周辺での発生はありませんが、秋になると渡り途中の蝶を近所でもよく見かけるようになります。

各地でマーキングによる渡りの調査を行っているため、友達の息子さんが蔵王山の権現の森(愛知県田原市)でマーキングしたものが、与那国島で見つかったそうです。

五月のGW頃に、北上中と思われるアサギマダラを見ることがあります。
南方で冬を越して、再び北上して戻ってこられる数はどのくらいなのでしょう。

------------------------- 2021.01 追記 --------------------------

最近の情報によると、成虫は秋に南下して南西諸島や台湾、香港などまで達しますが、渡り鳥のように単純にそれらが翌春に北上して日本本土で繁殖するというわけではないそうです。
渡りをするチョウとして有名な北米の「オオカバマダラ」の場合、秋に南下して集団越冬地で過ごし、春以降に世代交代しながら北上、秋に南下を繰り返す生活史ですが、本種の場合は「集団越冬」の記録はなく、全体として季節的な南下と北上を繰り返しているようです。
実際、秋〜春には沖縄で見られるものの夏には北上して姿を消してしまい、翌秋に見られるものは主に本土などからの南下個体だと思われます。
また、春から初夏にかけて東三河で見られるもののほとんどは「北上個体」ではなく、秋に産卵・孵化した幼虫が越冬して羽化した個体のようで、全体としては暑さを避けつつ吸蜜植物を順次変えるようにして北上、逆に秋になると南下する移動のようですね。