トノサマバッタ 

直翅(バッタ)目 バッタ科  体長65mm前後

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本種はいかにも「バッタ」らしいイメージと感じます。

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こちらは全体が茶褐色の個体。

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全体に明るい体色の、やや中間的な色合いの個体。

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左後肢を失った個体。腹部側面の様子が判り易い。

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前胸背板の中央稜線はシャープで、後縁は後ろに向かって尖っている。

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メス(下)にマウントしたオス(上)。

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マウント中のペアに接近するあぶれオス。

バッタといえば本種をイメージする代表種で、「仮面ライダー」も本種をモチーフとしてデザインされているものと思われます。
一般的に見られるものとしては最も大型になる(※)バッタの一つで、北海道から九州、南西諸島にわたって広く分布し、主に乾いた草原や開けた裸地で見られます。
※バッタ科の日本最大種は南西諸島に生息する「タイワンツチイナゴ」です。

本種は特に乾燥した開けた場所やその周辺の草地を好むようで、海岸性のものを除けば一般のバッタよりも乾燥に強いように感じます。

前胸背板は中央の稜線が明瞭で、後縁も中央が後方に向けて尖っています。

本種は外見的には全身が茶褐色のものと、頭・脚・胸部などが緑色をしたものが現れますが、こういった色彩変異とは別に通常の「孤独相」と、より翅が長くて飛行に適し性質も獰猛化する「群生相」という性質の違う集団が現れるとのことです。
アフリカなどの乾燥地帯では現在でも「サバクトビバッタ」の群生相への相変異が起きて深刻な農業被害に見舞われることが度々ありますが、中国の春秋時代の歴史書などにも「蝗害」についての記載があります。
日本国内での「飛蝗」の発生は本種が主であり、環境の変化により本種も「孤独相」から「群生相」への相転移が起きることがあります。
近年の日本でも明治から大正にかけては北海道で大規模な発生があった記録があり、現地にはバッタの慰霊と再発が無いことを祈念する「バッタ塚」と呼ばれる遺構があります。