クルマバッタモドキ 

直翅(バッタ)目 バッタ科  体長45mm前後

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砂地ではほぼ完璧な隠蔽型の擬態です。これはメスのようです。

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こちらはやや明るい色合いのオス個体。

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オスは脛節が赤いのが判る。

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前胸背板の後半はひし形に見える。

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偶然にも本種のオスと「ヤマトマダラバッタ」のオスが並んだ。

北海道から九州の草地でよく見られるやや大型のバッタです。
名前通り「クルマバッタ」によく似ていますが、「クルマバッタ」が自然環境の豊かな草原で見られるのに対してより乾燥した環境に適応しており、海岸の草地でよく見られます。
外見的にもよく似ていますが、本種の場合は圧倒的に「褐色型」が絶対多数とのことで、ishidaは緑色型はまだ見たことがありません。

海岸の草地では外見のよく似た「マダラバッタ」「ヤマトマダラバッタ」が同所的に生息していますが、サイズ的には本種が一番大きくて「クルマバッタモドキ」>「ヤマトマダラバッタ」>「マダラバッタ」という関係になります。
(ただし、個体差や性別によっては逆転もあるという程度の差です)

本種の場合は「トノサマバッタ」や「クルマバッタ」のように前胸部背面の中央稜線が尖っていることや、前胸背板後端が尖っている(本種は先端はやや丸い)といったところが他の2種との大きな違いです。
ishidaが実際に撮影した中で気付いたそれぞれの種の特徴や背別ポイントを以下の表にまとめました。

種別

特徴

クルマバッタモドキ

前胸部背面中央が鋭い稜線になっている。
前胸部背面の筋は「X」形で目立つ。
前胸部背面後部がひし形で後端は尖っている。
翅には黒い横縞が目立つ。
オスの後肢脛節は赤い。
全体は茶褐色で黒い模様が目立つ。(緑色型も現れるが少ない)
複眼を横切る眼過線が目立つ。

ヤマトマダラバッタ 前胸部背面は平坦。
前胸部背面の筋は個体によっては目立たず、頭部寄りは平行で後半は末広がり。
前胸部背面は平坦で、後端は丸い。
翅は主に細かな斑模様。
オスの後肢脛節は一部黒斑があって全体は白い。
全体は明褐色〜暗褐色に細かい斑模様。(緑色型は現れない)
複眼を横切る眼下背は無い。
マダラバッタ 前胸部背面は平坦。
前胸部背面の筋は目立ち、頭部寄りは平行で後半は末広がり。
前胸部背面は平坦で、後端は丸い。
翅には細かな模様は少なく、前翅付け根から中央にかけて細長い明色部が目立つ。
オスの後肢脛節は白・青・赤の3色。
全体は明褐色〜灰白色に細かい斑模様。(緑色型も現れる)
前2種より額の突出が大きく、複眼を横切る眼過線は目立たない。

また、「クルマバッタ」は飛翔時に「ブーン、パチパチパチ」という大きな音を立てますが、本種の場合は「パチパチ」音があまり目立たない気がします。

実際にはこれら3種とよく似て見えるものに「イボバッタ」や「ヒナバッタ」なども入るかなと思いましたが、明らかにサイズが違うため屋外で混同することはないですね。

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「クルマバッタモドキ」のオス。特徴は複眼を横切る眼過線、前胸背面の模様と尖った稜線、赤い後肢脛節。

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「ヤマトマダラバッタ」のオス。特徴は平らな前胸背面と丸い後端、白い後肢脛節。

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「マダラバッタ」のオス。特徴は平らな前胸背面の模様と丸い後端、前翅の明色部、白・青・赤の後肢脛節、尖った頭部。