ヒメクダマキモドキ 

直翅(バッタ)目 キリギリス科  35mm前後(翅端まで) 

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オスの成虫。前脚の肘が赤褐色。

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翅の表面は翅脈が目立ってざらざらした質感。前翅の前縁に縁取りはない。

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メス成虫。背面の正中線(前翅の会合部)が黄色い。

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右後脚を失っていますが、産卵管が透けて見えます。

近年はツユムシの仲間を従来の「キリギリス科」から分離して「ツユムシ科」とする意見もあるようです。

「ヒメクダマキモドキ」は樹上性のやや小型のツユムシで、「クダマキ(クツワムシの異称)モドキ」の名前の通り、全体的に体高が高い(上下に幅がある)体形をしています。
主に房総半島以西から琉球諸島まで分布するとのことですが、どちらかというと暖地性のため、本州では太平洋岸の地域に多いようです。

2020年の夏には自宅庭のクチナシの木に多くのツユムシの幼虫が見られ、秋になって成虫になった姿を見て「ああ、背中の正中線が黄色いのでセスジツユムシかな?」と思いましたが、横から見ると明らかに体高が高く、とはいっても「サトクダマキモドキ」とも違うなあとちょっと疑問に思いましたが、実はこれまで見たことがないと思って特に気にしていなかった「ヒメクダマキモドキ」だったのでした。

自宅周辺で見たことのある「サトクダマキモドキ」よりもかなり小型で、前翅の前縁に縁取りがなく、背面の正中線(前翅の会合部)が黄色く、メスの産卵管がやや細長くて前脚の肘が赤褐色なのが本種です。

奄美大島以南にはよく似た「ダイトウクダマキモドキ」も分布しており、石垣島で見た「ダイトウ」のほうがやや大きめで、翅脈の凹凸が目立たず全体に艶があり、対する本種のほうは翅脈がざらざらしているイメージです。
沖縄本島で見たのはどちらだったのかちょっと悩むところです(^^;