ハネナガヒシバッタ 

直翅(バッタ)目 ヒシバッタ科  体長10mm前後

hanenagahisibatta_3945.jpg - 131,336Bytes
前胸背板が後方まで延びて翅を覆っているが、翅端は少し出ている。

hanenagahisibatta_3957.jpg - 116,622Bytes
これも背面の白帯が目立つ個体。

hanenagahisibatta_7496.jpg - 93,802Bytes
背面の白帯が無い個体。

hanenagahisibatta_3955.jpg - 123,943Bytes
幼虫は前胸背板が伸びていない。

本種は本州から四国・九州・薩南諸島にかけて生息する広域種で、全体としては名前の通り前胸背板が背面を覆って「菱形」の体型をしているものが多いヒシバッタ科の中では特別に前胸背板が後方に長く伸びた体形のグループの代表種です。

主に湿地の周辺の湿った草地で見られますが、成虫で越冬するため早春に田んぼやその周辺の湿地などで見られます。

このグループは前述のように前胸背板が腹端を越えて体長の1.5倍くらい伸びており、翅を左右から覆う鞘のような構造になっています。
このような構造になっている意味はよく判りませんが、湿地などでは翅を濡らしてしまう恐れがあるためこのような構造で長い翅を保護しているのかもしれません。
実際に彼らは後脚でジャンプするだけではなく、非常によく飛翔します。

このグループの中では本種が最も普通種だと思いますが、本種の場合は体全体が凸凹しているのと、前胸部背面の中央稜線がはっきり盛り上がっていて側角は無く、写真のようにマーキングしているかのような白い帯があるものが多いのが特徴的だと思います。