オオジョロウグモ

節足動物門 鋏角亜門 クモ綱 クモ目 ジョロウグモ科  50mm程度

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2016年沖縄遠征時に首里城で見た大型個体。周辺に見える小型のクモは「チリイソウロウグモ」のようです。

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同じく首里城で見た、やや小型の個体。

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比地大滝の歩道で見た個体、よく見ると食事中でした。

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葉陰で自前の巣を張っていたオス。サイズや触肢を見る限り成体のようだった。

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メスの巣の縦糸末端部にいたオス。

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メスの腹面側に近付いて交接を狙う(?)オス。

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しかし、何故か背面側に回り込んで行った。何故かメスの頭胸部と腹部の境い目に糸が?

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まだメスの受け入れ態勢が整っていなかったんでしょうか??

主に奄美大島以南の琉球諸島に分布する、国内最大級のクモのうちの一つです。

沖縄に分布する「オオハシリグモ」も同様に国内最大級と呼ばれますが、本種は50mmに達する体長だけでなく、展肢長(脚を広げた大きさ)でも文句なく国内最大級と思われます。

大きいだけでなく、禍々しい感じの色模様、細いながらも棒のようなカクカクした脚や、強大な鋏角といい、とても迫力満点です。
ただし、ジョウロウグモの仲間に限らず、他の造網性のクモの多くと同様にオスはか弱くて小型だそうですが、まだ見たことがありません。

 

本土にも生息するいわゆる「ジョロウグモ」の巣糸もとても丈夫ですが、ネットなどでは本種は鳥も捕獲するとか、網を枝などに張り渡すとタモ網のように使用して魚もすくえます、くらいに言われています。
実際には毒性が強いわけではないので鳥を捕食することはできないと思いますが、確かに林間などに張られたオオジョロウグモの大きな円網を見ると「鳥もかかりそう」と思うのも無理はない気がします。

 

やんばるの「比地大滝」の遊歩道でも多く見られ、台湾か香港から来たと思われるばっちり登山ウェアーの人たちも、大きな巣と大型のクモに驚いて盛んに写真を撮っていました。

ちょこっと親切心で「これは日本最大のクモで、沖縄地方でしか見られないんだよん♪」と英語で教えてあげたら、とっても興奮して喜んでいました。

 

実は、沖縄に行けばいつでもどこでも見られると思っていたのですが、初めての沖縄遠征時には見ることができたものの、それ以降の遠征では見たことがありません。
年一化性のため、夏以降でないと成長した個体がいないため?

-------------------- 2024.09.29 オスの画像追加 ----------------------

梅雨明け以降になると徐々に成熟個体が見られるようになってくるようで、梅雨明けを待って決行(実際には現地で梅雨明けを迎えましたが…)した2024年6月の西表島遠征で成熟したオスと出会うことができました。
やはり他の造網性のクモ同様に小型で、か弱い印象の赤褐色のクモでした。
本土で見られる「ジョロウグモ」と同様にメスの巣の周辺に居候をしているオスが見られますが、本種の場合は居候している個体ばかりでなく独自で個別に網を張っているオスも頻繁に見かける気がします。

観察中、メスの巣に侵入したオスがメスの腹面側に取り付いたので、「いよいよ交接か?」と思いましたが、何故かメスの背面側におんぶするように取り付きました。
結局そのまま動きはなくなり、メス側の受け入れ態勢が整っていなかったということなんでしょうか?
しかし、よく見るとメスの頭胸部と腹部の境い目の辺りに糸が巻きつけられているように見えるし、これっていったいどういう行動なんでしょう??