イオウイロハシリグモ 

キシダグモ科  体長25mm前後

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「スジボケ型」のものは数は少ない。

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一見すると「スジアカハシリグモ」のようにも見えます。

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橙色型のオス。

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最もよく見かけるイオウイロ型。

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ハエトリグモと違って、後列の眼が大きい。

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卵嚢を抱えて保護するメス。

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団居を守る母グモと危険を感じて団子になった幼体。

屋外で見かけるクモの中では(アシダカグモを除くと)最も大型の部類のクモです。
昼間、草の葉の上などで獲物を待ち伏せしている姿を良く見ます。
危険を感じると、素早く葉の裏側に回り込んで隠れます。

色彩多型で、スジボケ型・橙色型・硫黄色型など全く違う種類のように見えます。

ハシリグモの仲間は普段は巣を作らずに徘徊し、視覚で獲物を捕らえるハエトリグモやコモリグモと並んで目が発達しており、眼列が独特の配置となっています。
ただし、ハエトリグモは前側の中央寄りの一対の「前中眼」が大きいのに対して、ハシリグモの仲間は後ろ側中央寄りの「後中眼」と「後側眼」の二対が発達しています。

メスはだいたい8月から9月にかけて産卵し、産卵後も糸で丸く紡いだ卵嚢を持ち歩きますが、孵化が近づくと不規則な網を張った中に卵嚢を置き、母親は側で保護します。
孵化した子グモはその網の中で2週間程度「団居(まどい)」と呼ばれる集団状態で過ごし、最初の脱皮をした後に分散します。
母グモはやはりその2週間程度の間は団居に付き添って子グモを保護します。

団居中の子グモは巣の中で適当に広がって過ごしていますが、危険を感じると右の写真のように一箇所に集まって団子状になります。
よく、てんでバラバラに逃げ散って分散することを「クモの子を散らす」という表現を使いますが、この場合は逆ですね。
その際に
不規則な網がクモ以外の外敵を寄せ付けない安全な隠れ家となっているようです。