種不明なハエトリグモ

節足動物門 クモ綱 ハエトリグモ科 体長約9mm

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2022年に初めて出会ったメス成体と思われる個体。一見すると黒っぽい「シラヒゲハエトリ」のように見えた。

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触肢を上げ下げして黒い鋏角を見せる「アゴ出し行動」をするところも「シラヒゲハエトリ」に似ている。

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2025年に見たメス成体。こちらは全体に明るい体色。

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全体に平たいが、腹部の形状は一種独特に感じる。

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2025年に初めて出会ったオス成体と思われる個体。

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背面の斑紋は独特。

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触肢の雰囲気は「シラヒゲハエトリ」と似ている。

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オス亜成体と思われる個体。

2022年5月の八重山遠征の際に西表島でメスのみしか出会えなかった種不明なハエトリグモですが、2025年の遠征時にオスも含む複数個体に出会うことができました。
姿形からは「シラヒゲハエトリ」に似ており、建物の外壁に生息していることや、警戒すると触肢を上下させて真っ黒な鋏角を見せる「アゴ出し行動」をとるところも似ています

2025年に初めてオスの成体を確認したところ、やはり新進気鋭のハエトリグモ研究者の須黒辰巳さんの著書「ハエトリグモハンドブック」で「新種候補のハエトリグモたち」の中に含まれていました。(オス個体しか載っていなかったので気付いていなかっただけでした)

前述のように「シラヒゲハエトリ」とよく似た姿だなと思う反面、メス成体の腹部は何となく擬宝珠かホームベースっぽく見える気もするし、オスの頭胸部の斑紋も独特です。
また、2022年/2025年ともに実は同じ場所で見ており、西表島の他の場所では全く見たことがありません。
とはいえ、建物の外壁ということで実際には人様のお家を覗いて回ることはプライバシーの侵害となりそうでなかなかできないので、単に出会いにくいだけなのかもしれません。
ただ、本種を見た場所では本種のみが見られ、他の場所では「シラヒゲハエトリ」のみが見られた場所もあり、それぞれ好みの環境が違うのか、または競合関係にあたるため生息地では排他的となってしまうのかもしれません。