チャイロアサヒハエトリ

ハエトリグモ科 体長6mm程度

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一見した後ろ姿は脚が長くてエビグモかハシリグモの仲間のように見えます。

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しかし四角い頭胸部前半と、前に回った時の顔付きは明らかにハエトリグモ。

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オスはアサヒハエトリの仲間(のオス)らしい、大きく湾曲した鋏角を持っています。

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メスはいたって普通のハエトリグモっぽい体型。

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とても渋い美しさを感じる色合いです。

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アサヒハエトリの仲間は特に後側眼が大きくて後中眼が小さいのが独特な顔つきに感じます。

以前から「ハエトリグモとは思えないほど脚が長くて、独特の顔つきも面白いな」と思っていたのですが、本種自体は普通種だと思うのに東三河の平地・山地どちらでも出会ったことがありません。
たまたま西三河の里山を歩く機会があり、そこで初対面しました。

初めて見る本種のオスは確かに脚が長くて想像以上に大きく見え、アサヒハエトリの仲間特有の大きく湾曲した鋏角が独特の顔付きに見えます。
ただし、同じ日に出会ったメスは(知っていたとはいえ)全く体型も違うし、鋏角もいたって普通な感じで、知らなければ同種の雌雄とは思えないですね。

同属のアサヒハエトリの仲間と比べても極端に長いオスのこの長い脚が何の役に立っているのかはよく分からないですが、例えばアリグモのようにあまりジャンプしたり速く走り回ったりしない生態なんでしょうか?
メスの気を引いたり攻撃されないようにするための求愛ダンスをする他のハエトリグモでは通常求愛ディスプレイに使うのは前脚のみなので、本種ばかりが「足が長いほど女にもてる」…というのも考えにくいですが、同種のオスとの闘争時に「全ての足が長いほど有利」ということがあるのかしら?

他のハエトリグモの場合、雌雄ともに大きな前脚を持ったものの場合は主に「獲物の捕獲」に重点を置いており、オスはさらに派手色や飾り毛などで装っています。
逆にマツモトハエトリなどはどう考えても「捕獲用」というよりは同種間のオス同士での闘争に使うことに特化しているように見え、実際に鏡に映った自分の姿に対して前脚を広げて長さ比べをする行動がみられます。

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狩りとディスプレイ両方に活用される大きな前脚をもつ「アオオビハエトリ」(左)と「ヨダンハエトリ」(右)。
彼らの場合はオスもメスも強大な前脚を持つが、オスのほうが圧倒的に派手な装いです。

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どちらかというとディスプレイに特化した大きな前脚をもつ「ウデブトハエトリ」(左)と「マツモトハエトリ」(右)。
オスとメスの前脚の大きさには大きな差があり、右の「マツモトハエトリ」はまさに鏡の中の(^^)ライバルと合戦中。