登山靴
ボリエール アイスマスター
 

従来から使用していたアンドー製重登山靴に代えて、もう少し現代的な(?)軽量かつ防水性が高い本格的登山靴が欲しいということで物色。
しかし、ややハード志向の(靴底少し固めな)トレッキングシューズにしようかどうしようかと悩んでいたところが、型遅れのこの靴がお安く販売されているのに遭遇。
足首を効果的に固定してくれそうなバンド、岩場や重い荷物などの本格的な使用に耐える硬いシャンクのソール、軽量さも魅力。
防水は、今やほぼ標準装備の防水透湿素材(ゴアテックスではないが)のブーティ仕様です。
でも、実は旧モデルのため割引率が最も魅力に映った?(お買い得に弱いワタシ)
試しに履いてみると、爪先や甲部分のフィット感もまずまず。岩場を想定した爪先での立ち込みも安心感あり。
富士登山の際にやや役不足を感じていたトレッキングシューズの代わりだけでなく、厳冬期の高所以外ならこれ一足でいけそうです。

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見た感じは細身に見えますが幅は特に窮屈ではありません。(左) ソールはオリジナル。(右)

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購入後の初登山は、軽く籾糠山でお試ししましたが、下りで小指の外側がややきつめに感じる以外は問題ありませんでした。
しかし、その後の富士登山では右足の踵が痛くなりました。
(それ以前に富士山に行った時には軽登山靴だったが、やはり同じところが痛くなったし、昔からどの靴でも多少はあった記憶なので自分の足の要因も大きいと思います)
下りはもちろん踵が当たらないのと、甲のフィット感が高い(これは大事)ので快調です。
その後の踵の擦れ防止対策して臨んだ富士山や2008年の剱岳・立山、その前後の富士登山では快調でした。
特に、剱岳の登下降では軽いうえに岩場のフリクションが良いソールが強みで安心感があり、テント装備一式を担いだ立山縦走も不安定なガレ場も不安感なくこなせました。

良いところは
・クラスの割に軽量(片足で850g程度)。
・甲のフィット感が高いため、下りで足がずれない。
・爪先部分がラバーバンドで覆われ、革の縫い目が露出していない。
(登りの岩場や木の根で引っかかりにくく、汚れも詰まりにくい)
・2000m級の冬山ならOKの防水性。
・登りや下りの状況に合わせて足首のバンドだけでフィット感が調節できる。
(登りは足首が屈曲し易いように緩め、下りはきつめなど、歩き始めてからでも簡単に調節可能)
・岩場でグリップの良いアウトソール(しかし、剱岳・立山の縦走ですごく減った)。
イマイチなところは
・踵周りのサポート感が悪く、伸び上がると踵が浮き易い。
・パッドがベロの上側まで巻き込んでいないので、登りなどで前傾すると脛に当たる。

富士山での細かな砂塵の汚れに対してもお手入れし易いので助かります。
その後、登りでの右足踵のこすれに対しては、足のフィット状態や位置関係が変われば改善するかと思ってインソールも何種類か試してみましたがあまり改善は見られませんでした。
そのうえ、大川入山に登った際にはソックスの該当の箇所に穴が開いてしまうダメージも発生してショック。
これではソックスの損失(出費)も馬鹿にならない…
踵の上部のパッドが貧弱で、登りで足が後ろ側に押し付けられると、直接踵(私の場合は踵のちょっと上の出っ張り)が当たってしまうのが原因のようです。

困った時にはやはり専門店ということで、モンタニアで相談してみました。
そこで、踵の高さを調整するために、まずはインソールの下に上げ底をして踵の位置を上げてみました。
上げ底の状態で行ったのが08年11月の山伏ですが、ここでも症状は改善されず。
その後の雪がある恵那山山行では雪のステップのおかげで踵が下がらないためか、あまり痛みはありませんでした。
しかし、09年1月の毛無山では、登りと平地の車道歩きで両足に痛みが来てちょっと泣き泣き。
モンタニアで相談したところ、靴を開いてパットの追加も可能とのこと。
まずは踵の当たる部分にパットを追加してもらいました。(本当は踵が浮かないように、アキレス腱の両側のボリュームアップを図りたかった。)
2〜3月は奥さんに止められていた(のとスキーで忙しかった)ために試す機会はなく、初めて試したのが4月19日の恵那山でした。
しかし、初めのうちはやや効果が見えたのですが、最終的にはやはり痛みが来てしまいました。
このままではGWの登山計画に支障も考えられるため、再度モンタニアへ。
最悪New登山靴の出番とかも視野に入れて…
いろいろ相談の結果、その場で靴を開いてパット追加しながらフィッティングしてもらえることになりました。
希望通り、アキレス腱の両側付近のボリュームをアップして踵が浮きにくく、かつ踵に荷重が集中しないように調整できました。
ついでに靴紐をしっかり締めて前傾したときにベロの上端が脛に当たって痛いのもパットを追加して対策してもらいました。
おまけに、後日K氏と待ち合わせのためにお店に寄った際に早めに仕上げてくれて大助かり。
(費用もお安くしてもらったので大喜び)

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こんなイメージでお願いしました。(上等な靴なら普通?) ×印が痛くなる場所。

テント泊を予定していたGWの鳳凰三山行きが初のお試しとなりました。
結果は上々、初日の長い登りでも踵が浮くこともなく、痛みもありませんでした。
しかし、下山中に気付いた違和感…左足だけがやけに足の招きが(軽登山靴のように)良い感じ。
帰宅して翌日、靴のお手入れ中に思い出して比べてみると、左足だけ前側のフレックスがあって、まさに軽登山靴のように曲がります。
これはこれで随分歩きやすい気もしますが…
しかし、この症状はどう考えても「シャンク」の破損です。
たぶんこの靴のシャンクは樹脂製だと思いますが、そもそもシャンクって折れたりすることあるの?
そこで、困った時のモンタニア頼み。持ち込んでご相談。
当初は次のシューズを買ってもいいかなと思っていましたが、とりあえずクレームで返品してみることになりました。
その後、輸入元からは不良品なので交換してくれるとの連絡がありましたが、既に後継モデル含めて在庫がないそうです。
最終的に差額分(相当?)をお支払いして、上位モデルの「パミール」と交換となりました。


サイズ合わせのために2サイズ送られてきたものを履いてみたところ、「アイスマスター」で対策したのと同等に標準でパットが配置されているくらいのフィット感でした。
ただし、冬季の3000mクラスまで対応可能な4シーズンモデルのため、普段使うのにはちょっとハード過ぎですね。

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