CCDのゴミ画像を修正

○デジタルカメラの大敵、CCD(ローパスフィルタ)上のゴミ

フィルムカメラの場合はゴミなどの侵入による「フィルムキズ」というのが大敵でした(^^)。ただし、フィルムは毎回交換するため、圧着板などに傷が付いていない限りは一時的なものでした。
デジタルカメラの場合、フィルム交換はしませんので、CCD上にゴミが付着するとその後はずっと「ゴミの影」が結像して画像に現れてしまいます。
(実際にゴミがあるのはCCD上ではなく、ローパスフィルタ上のため、若干ボケています。)
特に、レンズ交換式のデジタル一眼レフの場合は、外部からのゴミの侵入が避けられません。
カメラによっては「ゴミ除去」機能の付いたものも存在していますが、私のカメラには装備されていません。

メーカー保障期間中に一度はクリーニングに出したのですが、現在はまたまたゴミ付着しています。
特に私に場合はマクロ撮影がメインで、絞り込んで撮影することが殆どのため背景によってはかなり目立つケースもあります。
(カメラ任せでPモードしか使っていない人の場合、ほとんど気にならないかも)

ここからが本題です(^^;。
画像に出来てしまったCCD上のゴミ画像は、「私の場合はこのように消しています」という紹介です。
私が使っているソフトはCorel社の「PHOTO-PAINT11」というものです。
最近では「Painter」やら、定番の「Paintshop Pro」なんかもCorel社から売られていますのでややこしいですね。
もともとはMac生まれの定番ソフトであるAdobeのPhotoShopに対抗して出てきた、ウィンドウズ生まれのソフトです。
私の場合は、「Corel DRAW 6」から使っていた流れからという理由で使い続けてます。


@クローンツールを使う方法 (私は専らこちらを使用)

ソフトによって呼び名は違うと思いますが、指定した範囲を別の場所にコピーする機能です。
範囲指定の為のペン先の形状や濃度を選ぶことが出来ます。
実際の画像を例にとって具体的に説明します。
サンプルの元画像は、3000×2000Pixelです。

せっかく背景も考えて撮ったのですが、こういう背景だとゴミが目立ちます。
縮小画像なのでよく見えません…(^^)が、印をつけた場所に目立つゴミがあります。

RETOUCH_ABU_4705.JPG - 81,732BYTES

ソフトを起動し、修正したい画像を開きます。
ツールバーから「クローンツール」を選択します。

RETOUCH_C1_4705.JPG - 46,448BYTES


プロパティバーから、ペン先の形状を選びます。
この場合は、周囲とのなじみを考えて、グラデーションの大きめのペン先を選択します。

RETOUCH_C2_4705.JPG - 30,502BYTES

さらに、ゴミの大きさにあわせてペン先のサイズも変更できます。
この場合は、ゴミより大きめのサイズに調整します。

RETOUCH_C3_4705.JPG - 23,585BYTES

ペン先のサイズを調整したら、コピー元をマウスの右クリックで指定します。
コピー元の画像をゴミの位置にコピーする為、なるべく周辺の同じ色合いの場所を指定します。
ゴミや不必要なパターンの無い場所を選択します。
右クリックすると、+マークの付いたマーカーが現れます。

RETOUCH_C4_4705.JPG - 30,943BYTES

そして、コピーしたい先(この場合はゴミの位置)を左クリックすると+マーカーの画像範囲が○カーソルの位置にコピーされます。
グラデーションのあるペン先を選んでいるため、1回のクリックでは完全に消えません。そのままドラッグして塗りつぶしたり、位置をずらしながら複数回クリックすることで違和感無くゴミを塗りつぶすことが出来ます。
位置をずらしても。コピー元とコピー先の相対位置は固定されています。

RETOUCH_C5_4705.JPG - 28,805BYTES

下のように、境界線などにゴミがある場合、コピー元とコピー先の位置関係を、境界線に沿って配置すれば上手く消すことが出来ます。(下のゴミはわざとらしい?)

RETOUCH_C6_4705.JPG - 39,615BYTES

古い写真をスキャンした場合など、ほこりや写真の破れなどの除去もこの方法で可能です。

最近のソフトは「赤目自動修正」やら「シミそばかす除去」といったことも可能で、このソフトの場合もそういった機能がついています。次ではその方法を説明します。

Aソフトの「ダストとキズ除去機能」を使う方法

自動的にゴミを画像を検出するにしても、ソフト任せでは実際には画像の必要な情報まで消されてしまいます。
ゴミを除去する範囲と、除去するゴミのレベルを指定してやる必要があります。
その情報を基準に、ソフトは大きさと周囲からの変化度合いを見て「これはゴミだ」と判断し、周辺の画像を元にしてゴミを消します。

まずは、必要な画像の情報が消されてしまわないように、ゴミ除去してほしくない範囲をマスクします。
ツールバーの「マスクツール」 「ブラシマスクツール」を使用します。
範囲指定は「ブラシマスクツール」でなくとも、他のマスクツ−ルでも構いません。

RETOUCH_D1_4705.JPG - 34,596BYTES

マスクブラシの形状とサイズを指定します。
この場合、塗りつぶしやすいサイズで構いません。別にはみ出しても構わないので、大きめにします。

RETOUCH_D2_4705.JPG - 29,454BYTES

処理してほしくない部分を範囲外とする作業なので、モードは「減算モード」を指定します。
加算モードで作業して、最後に「マスクの反転」をしても構いません。

RETOUCH_D3_4705.JPG - 22,655BYTES

下のように、影響を与えたくない領域を塗りつぶします。

RETOUCH_D4_4705.JPG - 47,846BYTES

非選択とした範囲に穴あきが無いかどうか、メニューの「マスク」→「色反転」を行って確認します。
確認できたら「戻る」ボタンで上の状態に戻します。穴あきがあったらここで修正します。

RETOUCH_D5_4705.JPG - 59,530BYTES

メニューから、「イメージ」→「補正」→「ダストとキズ」を選ぶと、下のようなダイアログが開きます。
「しきい値」は、ゴミが周囲からどの程度のレベルで変化しているかを設定するスライダーです。
「白地に黒」のようにはっきりしたゴミだけを除去する場合は「しきい値」を大きく、逆に今回のようにぼんやりした影を除去したい場合は「しきい値」を小さく設定します。
「しきい値」を小さくすると、ちょっとした変化もゴミと判断してしまうため、画像の細部が失われやすくなります。
「半径」は、どの程度の大きさまでのものを「ごみ」として検出するかを表します。
小さなゴミだけを除去する場合は小さめに、大きいものまでゴミとする場合は大きめに設定します。あまり大きくすると、画像の中の設定サイズ以下のパターンは失われます。
この画像の場合、下のような設定では「ぼんやりとした」ゴミは除去できていません。

RETOUCH_D7_4705.JPG - 51,332BYTES

「しきい値」を小さく「半径」を大きくすると、ゴミの一部が除去されました。
でも、大きくてぼんやりしたゴミは残ったままです。
今回は、必要な場所はマスクされているので、思い切ってもっと変化させても良いでしょう。

RETOUCH_D8_4705.JPG - 51,050BYTES

結局、「しきい値」最小、「半径」最大まで変化させて、やっとゴミが消えました。
(画像サイズによって最適値は変わってきます)

RETOUCH_D9_4705.JPG - 50,933BYTES

もともと、背景には大きなグラデーションパターンしかありませんので、画像にはほとんど影響ありませんでした。

RETOUCH_D10_4705.JPG - 22,017BYTES

下がゴミ除去する前の状態です。

RETOUCH_D11_4705.JPG - 23,112BYTES

背景の状態や、指定する範囲のやりやすさなどを考慮して、@の方法ではゴミが多すぎて面倒な場合はこの方法をとっても良いかな?という感じです。
実際には、私の場合はほとんど@の方法で済ませています。