写真の道具の蘊蓄の一環として、なんちゃって三脚マニア?

「 アルカスイス互換雲台って…?」  

「小人閑居して不善を為す」シリーズ…という訳でもありませんが、実際のところ使用頻度が低い割には三脚はいくつも持っています。
そんな中で、いわゆる「アルカスイス互換」については案外勘違いも多いと思われるので、ひとつテーマとして取り上げてみました。

-------------------- そもそも「アルカスイス互換」ってナニ? -----------------------

以前からishida式のHP記載中によく出てくる「アルカスイス互換」という言葉ですが、世間的に認知されている情報は実はかなりグレーな印象です。
ishida式の場合もあえて「アルカスイス規格」という言葉を否定するような記載の仕方をしていますが、実際のところ公式に三脚メーカー間で規格化されているものではありません。
では、よく中華メーカーの三脚の説明にある「アルカスイス互換」という言葉の意味はというと、あくまでも「自称」アルカスイス互換という意味合いだととらえています。

Amazonのカスタマーレビューや質問に「アルカスイス規格の雲台です」「アルカスイス互換ですか?」みたいな書き込み、果ては商品説明にも「アルカスイスやRRS、マーキンスなどと互換性があります」といった表現が多数見受けられますが、実際にはいろいろと思い込みや過度な期待、メーカの勝手な解釈や都市伝説までもが混然一体となっているものと思われますよね。
メーカー間で公開・合意された規格がないということは、アルカスイス互換を謳った雲台に本物の「ARCA SWISS」製の全てのプレートが何の問題もなく装着可能か?逆に、アルカスイス互換を謳ったプレートが全ての本家「ARCA SWISS」の雲台にクランプ可能か?というのは誰にも保証できませんよね。

現実にはishidaも本家の「ARCA SWISS」製品は触ったこともありませんが、所有する三脚関連は現在ではほとんど「アルカスイス互換」を謳った製品で埋め尽くされています。
(ただし、クイックシューシステム自体は従来から「ベルボン」の小型のタイプ(独自規格?)をいくつかの小型三脚に導入していました。)
その後、HORUSUBENNU以外のスリックやらManfrottoなどの雲台を併用してみると、それぞれ互換性のないクイックシューとなっているのがなんとも煩雑。
スリックとベルボンは雲台のサイズによってプレートが何種類もあるし、Manfrottoの場合はプレートは統一されているが前後の指定があって、親切なのか面倒くさいのか…

メーカととしては良かれと思って始めたことだとは思いますが、結果的にユーザーの利便性をスポイルする結果となってしまったのは残念。
しかし、「アルカスイスの採用したシステム」がユーザーの利便性や汎用性だけでなく、固定力や応用力に優れたシステムとして認知された結果、上記3メーカーだけでなく大御所(?)のGitzoでさえ今では「アルカスイス互換」と呼ばれる方式を採用しており、このクイックシューシステムと互換性を持たせた方式が興隆を見せています。

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ベルボンの小型のQB-3(左) スリック SBH-200DQ Nのシステム(右)。形やサイズは違うが仕組みは同じ。

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Manfrottoのクイックシューも独自形式(左) これをアルカスイス互換&回転可能に変換するアダプタ(右)

実際の「(なんちゃって)アルカスイス互換」製品は人生初の海外通販、韓国のG-Marketからお取り寄せの初めて購入したカーボン三脚「HORUSUBENNU FX-7439TT」に付属の自由雲台「HORUSBENNU FX-34Q」が初体験でした。
その際、三脚に付属していたクイックシュープレートを見ると、なんだか天体望遠鏡のアリ溝のような仕組みになっていて、ちょっと新鮮な感じでした。
これが人生初の「アルカスイス互換」との遭遇だったのですが、まだこの時点では「ああ、海外にはこんなタイプのクイックシューを採用してるところがあるんだ」くらいの印象で、「BENRO」や「SIRUI」といった、当時名の通った中華メーカーも同じ方式を採用しているのかどうかは知りませんでした。
しかし、カメラを入れ替えて使うことになるとプレートが複数必要となりますので、少し遅れて第二弾の注文で別のプレートを手配してみました。

ここで、「アルカスイス互換」を謳うシステムのもっともよくある「相性問題」っていうものにいきなり遭遇してしまうのでした。

「HORUSBENNU FX-34Q」のクランプ部分は「レバータイプ」を採用しており(ダイヤルによりクランプ幅の調整自体は可能ですが)、精度の違うクランプを使用する度に締め付け幅に合わせて微調整が必要になって、操作性悪化に直結してしまうのでした。
(そもそも、調整自体もプレートを外して行う必要があるので不便だと思っていたが、後で考えたらクランプの下側から可能だったというオチもありました(^^;;;)

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「HORUSBENNU FX-34Q」のクランプ幅調整は中央の銀色のダイヤルを回して行う。

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右が雲台添付のプレート、左は同じ「HORUSUBENNU」ブランドで売られていたもの。

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裏側。後から買ったほう(左)はダイキャスト製で、けっこう複雑な形状で調整範囲が広い。

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しかし、「アリガタ」の形状がちょっと違うため、そのままクランプするとルーズになってしまうことが判明。

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久々のイラストレータI田先生登場(^^; 一般的な「アルカスイス互換」クランプの構造です。

とりあえずクランプ部を他のノブ式の「アルカスイス互換」タイプに交換すればよさそうだなということが判り、選択したのが「SUNWAYFOTO DLC-60」という、ノブとクランプ両方が装備されたコンボタイプのクランプでした。
コンボタイプなら、新しいプレートを取り付ける際はノブを回して調整し、その後はクランプのみのでスライドフリー/取り外しの2ポジションが使用可能になります。
他の雲台・三脚メーカーにはコンボタイプは見当たりませんでしたが、その後の探索では(つまみの操作性や全体のデザインはちょっとダサいが)「MENGS」や「Andoer]というブランドの格安品も発見(^^;
もちろん中華ブランドの常で、MENGSとAndoerの製品の出所は同じだと思います。

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すぐに物欲と結びついてしまうのもishida式?「SUNWAYFOTO DLC-60」(左) 裏側の固定部(右)

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ところが、買ってから(^^;取り付け部の形状が違うことが判明…

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K&F CONCEPTの雲台に取り付けてみた「SUNWAYFOTO DLC-60」(レバーをロック位置にした状態)

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ロック解除してスライド可能な状態(左) 解放してプレート取り外し可能な状態(右)

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「MENGS」ブランドの格安品を3Way雲台に取り付け。機能性はほぼ同じ。

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「SIRUI G-10X」はボールの動きのスムーズさとロックまでの節度感が良好。

「HORUSBENNU FX-34Q」自体は固定力に不満は無かったのですが、「松脂チックなネバネバグリスの染み出し」や、そもそも「グリスの硬化」といった中華製品などにありがちな不満点が出ていたので…という言い訳をしつつ、気が付いたらAmazonから届いていた「SIRUI G-10X」のワンランク違う滑らかな動きと操作性にうっとり(^^;

ここからは「アルカスイス互換」を謳う雲台の中で統一感のない「脱落防止機構」についてのお話になります。

「HORUSUBENNNU FX-34Q」には雲台側に脱落防止ピンが装着されており、クランプを緩めても脱落しない構造になっていますが、「SIRUI G-10X」も同様にクランプ側に脱落防止ピンが装備された構造(こちらはリリースボタン付き)になっています。
しかし、「SUNWAYFOTO DLC-60」はそのような構造は持っていません。

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脱落防止ピンがバネで出退する構造の「HORUSUBENNU FX-34Q」(左) 赤いリリースボタン装備の「SIRUI G-10X」(右)

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「SLIK SBH-200DS」も出退可能なタイプ(左) 「SUNWAYFOTO DLC-60」には脱落防止ピンはありません(左)

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脱落防止ピン(ねじ)を備えたもっとも一般的な「アルカスイス互換」を謳うクイックシュープレート。

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プレート側に脱落防止ピンが付いた構成の概念図。

これが本家「ARCA SWISS」のもともと採用していた方式なのかどうかは不明ですが、現在は新しいシステムに切り替わっているようで、従来のシステムとの上位互換かつ雲台側にピンが立っています。
他社製の「アルカスイス互換」品の多くはクイックシュープレート側に脱落防止ピン(実際には六角穴付きM2ネジ)が装着されており、通常はクランプ側の逃げ溝の範囲内で干渉しないが、大きくずれると溝の終端に干渉してそれ以上ずれないことで脱落を防止しています。
前述の「HORUSUBENNU FX-34Q」「SIRUI G-10X」「SLIK SBH-200DS」などは、メーカー標準のプレートには脱落防止ピンはついておらず、クランプ側の脱落防止ピンとシュープレート側の構造によって脱落防止としていますが、ピンの位置や取り付けるプレートの構造によって相性問題があります。
例えば、自分が所有するスリックのプレートは横方向が開放構造になっているため、SIRUIの雲台では脱落防止が効かない(実際にはカメラネジと干渉するので、片側だけ効く)とか、そもそもSIRUIやSLIKの雲台では、雲台の幅に対してプレートが長くない限りは一般的な「プレート側に脱落防止ピンがあるプレート」を装着するにはピン(ねじ)を外す必要があります。
それでも、独自規格のクイックリリースシステムに比べれば「制約はあっても使うことは可能」ということは汎用性の面では助かりますね。

ishidaの場合、必ず何らかのプレートがカメラに取り付けっぱなしの状態が基本であり、プレートからピン(ねじ)が突出しているのは耐えられませんので、ほとんどは外してしまっています。
そもそもこのネジを取り付けるためのスペースがカメラネジ側の位置調整やねじ頭の形状に制約を与えていると思うとかなり残念感があるなあ…。
特にE-M1UやG8なんて、すごく変なところ(^^;に三脚ねじ穴が配置されているので、普通のプレートは装着するのが困難なんですけど…。
せっかく制約の少なそうな構造のスリックのプレートはカメラネジ位置固定なのがもったいない…(スリックのプレートでも移動可能なタイプもあります)

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様々な形状のプレートがあるが、カメラねじ交換や脱落防止ピンの取り外しなどでオリジナルと違うものも(^^;
後列左から@ノーブランド品(ピン取り外し済み)Aノーブランド品BMENGS DR-60(ナス環ループ付き)
前列左からCSIRUI TY50X DLeofoto NP-50(カメラストッパ付き) ESLIK FSUNWAYFOTO DP-30R(ピン取り外し済み)

ちなみにishidaのカメラ側に取り付けるプレートのお気に入りは「MENGS DP-60」と、次点のお気に入りは「SUNWAYFOTO DP-30R」というものです。
どちらもプレートのアリガタの部分の平面形状が正方形になっているため、雲台のクランプに対して90°刻みで自由に取り付けが可能になっています。(通常のプレートは180°刻みになるため、前後または左右でしか使えない)
特に3WAY雲台やギア雲台など、雲台で取り付け方向が決まってしまっているものに対して自由度が高いのが特徴です。
ishidaの嫌いな脱落防止ピン(ねじ)がもともとついていないため、裏面の形状から「SIRUI G-10X」などのような雲台との親和性が高いのもお気に入りです。
しかしこれも今では欠品になってしまっており、入手可能な同等構成のものは次点の「SUNWAYFOTO DP-30R」くらいですが、ストラップの取り付けが片側しかないのと、脱落防止ピン(ねじ)が装備されているため、裏面の形状に制約があるのがちょっと残念。
それに、そもそもピン(ねじ)を外さないと90°回転はできないよね…何じゃそれ(^^;

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「Panasonic G9」+「MENGS DP-60」。ストラップホールにグリップストラップとPeak Designのアンカーを取り付け。

今ではPeak Designのキャプチャー用のプレート(スタンダードプレート)もアルカスイスと互換性のある形状を採用していて、現在販売されているV3では、キャプチャーから外したプレートをそのまま三脚にクランプできるようになっています。
特にキャプチャーV3のプレートはカメラへの付け外しに六角レンチが必要なので、兼用できないとかえって不便かもしれませんね。
「スタンダードプレート」はアリガタ部分の平面形状が「MENGS DP-60」同様に正方形のため、90°毎に回転して取り付け可能ですが、裏側はロックピンをガイドする斜面など複雑な構造になっていて、三脚側に脱落防止ピンがあるものに対しても取り付けは可能ですが、ちょっと相性問題がありそう。
逆に、「MENGS DP-60」と「SUNWAYFOTO DP-30R」をキャプチャーのホルダーに取り付けようとすると、キャプチャー側の脱落防止ピンと干渉するのはもちろん、脱落防止も効かないので使用不能ですね。

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Peak DesignのキャプチャーV3をザックのストラップに取り付けた状態。

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カメラにスタンダードプレートを取り付けた状態。プレートが薄型で、ねじ頭も薄型のため6角レンチが必須。

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スタンダードプレートをそのままクランプできます。

ここからは「アルカスイス互換」の拡張性・応用性についてのお話しです。

実際にどこのメーカーが最初に始めてどのようにして広まったのか?についてははっきり言って訳が判らないほど多様な商品が溢れかえっています。

@カメラ専用L型プレート
これは、カメラの個々の形状に合わせて製作されたプレートで、何故か(特許問題になるのを回避するためか?)カメラメーカーは決して純正品を用意することはありませんが、サードパーティ品としては高級品から安物まで、さまざまなブランドのものが販売されています。
カメラの底面の形状に合わせ、特に縦位置グリップを装着可能なものに対しては位置決めも利用して密着するように出来ています。(と言いつつ、E-M1 MarkU用のものはカメラの底面の部品配置の制約からか、しっかりした商品が無い状態なのがちょっと悲しい…)
E-M1用は各種販売されていて、けっこうフィッティングも良かったのに、E-M1 MarkU用はほぼ一種しかなく、可動部への干渉があるうえにフィッティングも悪くてちょっと残念な感じです。

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これは「Olympus E-M1」に専用プレートを取り付けたところ。

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特にボール雲台で縦位置にする際などに素早く変換できて、光軸の移動も少なくて便利ですね。

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こちらがOlympus E-M1U+アルカスイス互換L型プレート(普段はL部分を外している…(^^;)

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バリアングルモニターと干渉…水平にして開いてから回転させればいっぱいまで開くことは可能(^^;

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E-M1Uの場合は、電池蓋の構成もブラケットと干渉するため、クランプできる幅が小さい。

ちなみに、世の中には個別のカメラ専用設計ではない汎用のL型プレートもありますが、だいたいは「取り外さないと電池交換不能」なものがほとんどです。
また、専用形状のものはグリップ部も下側に延長されるため特にマイクロフォーサーズ機などの天地が短いカメラの場合にはホールディング性も改善されますが、汎用品はそういった利点はありません。

Aノーダルスライドプレート
屋上屋を重ねる…っていう感じにも見えますが、二面しか閉じていないアルカスイス互換クランプならではのパーツですね。
カメラ+レンズ込みで重心を調整したり、簡易的なマクロスライダのように使用することも可能です。
このタイプの場合は「カメラに付けっぱなし」ということはないし、用途から考えても脱落防止ピン(ねじ)は付けたままが正解ですね。
(でも、先端にストラップ取り付け用の構造があるのはなぜ?)

また、簡易的ではない本物のマクロスライダー(ボールねじを微動ハンドルで動作させるステージが乗っかったもの)も商品としては売られています。

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このような時に雲台側がノブとつまみのコンボになっているのが生きる。

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このレンズに対してはちょっと長すぎ(^^;。

Bアルカスイス互換三脚座(マウントリング)
これについてはカメラメーカー純正品も対応されてきていますが、主に望遠レンズ側に装備された三脚座にアルカスイス互換の溝が切ってある、というものです。
とはいっても、従来からあるレンズの場合は開発時期の関係や、そもそもいろいろなレンズに使用する汎用品だったりもするので、まだまだ採用例が少ないですね。
そこで登場するのが「サードパーティ品」と呼ばれる、二次創作的な商品たちです。
自分の持っているレンズでは三脚座を装備した三種ともアルカスイス互換対応されてはいないので、サードパーティ品のアクセサリが豊富なキャノン製レンズで初体験です。

モノ自体はアルミ削り出しで高級感もありますが、リング部は純正(鋳造)に比べて厚みがあり、重量もちょっと重めなくらいです。
しかし、アルカスイスタイプのシュープレートを下駄履きさせる必要はないため、コンパクトかつ実運用上の重量はやや軽減レベルでした(^^;

最近はカメラメーカー純正レンズでも、この部分がアルカスイス互換形状になっているものもありますが、純正品・サードパーティ緒品も含めて脱落防止ピン(ねじ)は装備していないのが普通です。

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左がキャノン純正「TRIPOD MOUNT RING B(B)」、右がサードパーティ品の「iShoot MP-E」。

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プレートの下駄履き不要で軽快かつ高剛性です。

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ちなみに脱落防止ピン(ねじ)は装備されていません。何故か1/4だけでなく3/8インチねじ穴も装備。

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マウントアダプタのせいでやや重心が後ろ寄り?

それでは、アルカスイス互換のクランプシステムに欠点はないのか?

いろいろ良いことずくめのように書いてきましたが欠点はないのかというと、世の中そんな夢のような話はないですねね。
個人的に感じる数少ない欠点の一つは、「固定する方向性が決まっている」ことではないでしょうか。
例えばもともとアルカスイス互換に対応する製品の少ない3WAY雲台やギア雲台の場合などは、上面にパノラマクランプのような構造がないと、ボディ側では横向き、レンズの三脚座では縦向きというように、取り付ける向きが変わってしまうこともあります。
下の写真は、アルカスイス互換ギア雲台「BENRO GD3WH」にE-M1をボディ側のL型プレートで取り付けた場合と、レンズ側の三脚座で取り付けた場合です。
パンやチルトの動作軸やつまみの位置が変わってしまうのはちょっとまごつく面がありますね。

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この装着方法がつまみの操作からいっても普通です。

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しかし、レンズ側の三脚座を使うと90°向きが違います。

結局、「BENRO GD3WH」にはアリガタ付きのパノラマクランプを重ねて取り付け…(^^;
おかげで、赤道儀的な使い方も可能になりましたけど。
(SUNWAYFOTOの3WAY雲台には、クランプ部が標準でスイベルタイプのパノラマクランプになっているものもあります。)
ちなみに、アルカスイス互換クランプに重ねて取り付けできるようにアリガタのアダプタが付いたパノラマクランプも多種多様なものが販売されていますが、締め付けると動きが渋くなったり、そもそも重ねて取り付けるとパンのレバーが干渉してしまうものまであって、やっぱり相性問題があります。
写真のものはAmazonで購入した「Koolehaoda パノラマヘッド XPC-60 OR」というものです。

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この雲台はクランプ交換できませんので、またまた「屋上屋を重ねる」っていう感じでこんなものを追加。

欠点の二つ目としては、脱落防止ピンが機能しない状態にしてあると、パンやチルトさせた際にカメラが落下してしまう恐れが付いて回ることでしょうか。(単なる精神的なものかもしれませんが…)
一般のねじ式の場合は、たとえ締め付けが甘くてもネジが掛かってさえいれば脱落はしませんし、前述のスリックやベルボン、Manfrottoなどのようにボックス型の構造のクランプの場合はもう少し安心感があるのには違いがありませんよね。
特に望遠レンズのレンズ側の三脚座を使用してチルトさせると、(着脱時には特に)なんだか落っこちそうな不安感を覚えてしまいます。

その他に、メーカーによってクランプの最大開口幅や最小締付け幅が微妙に異なります。
最大開口幅の狭いクランプに幅の大きいプレートを組み合わせると、プレートが上から取り付けられないとか、逆に最小締付け幅の大きいクランプに幅狭・薄型のプレートを組み合わせると、そもそもしっかり固定できないものもありました。
これはやはり統一規格が無いために起きることで、メーカーがいくら「アルカスイス互換」を謳っていたとしてもこういう問題は付いて回ります。

---------- この先の展開はあるのか(^^;、乞うご期待? ----------